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特集:

2008/05/21 日記<年金>


年金


年金(ねんきん、pension英語などでは年金をペンションと言い、また宿泊施設もペンションと言われるが、日本では「ペンション」と言えば宿泊施設を指す。、annuity)とは、毎年定期的・継続的に給付される貨幣|金銭のことである。また、年金を保障する仕組み(年金制度)も指す。制度の運営手法によって、公的年金と私的年金に分類される。また個人年金は私的年金とは別に分類する場合が多い。

はじめに


日本における年金に関しては工業規格や日本農林規格|JAS規格などと違い、一般的に使われる言葉、社会保険庁(発足予定の日本年金機構)をはじめ、社会保険労務士など専門家が使う言葉、公式書類に記載される言葉、年金拠出者や年金受給者が理解しているとして使う言葉になどに微妙に違いがある。正式名称が長いだけに略して使われることが多い。年金は個人個人が国やその機関に働きかける申請主義を採っている社会システム理論|社会システムであるが、年金が持つ加入義務と受給権利の立場からそれぞれの言葉と意味する事の正しい理解が必要とされる。また、段階によって呼称が変る一例として「国民年金保険料」として25年間以上掛け続けたものが、一旦受給者となると「老齢基礎年金」として受給するもので、受給の段階では「国民」の表記は消えてしまう。
一方、厚生年金保険の場合は「老齢厚生年金」と呼ばれるものを受給し、「厚生」の表記は無くならない。

概説



1959年(昭和34年)11月1日施行の「国民年金法」においては、「養老年金」は、一定の年齢に達した者の中で、一定の所得以下の者に限定して支給するものであった世帯所得による支給制限の基準額を五十万円とした(第38回国会 参議院 本会議 第17号1961年(昭和36)年3月30日)。。その財源は国庫から賄われたが、このように、受給者は掛け金や保険料を負担しない、拠出を条件としない年金を無拠出制年金という。これに対して、保険の仕組みを取る年金制度を年金保険と呼び、被保険者が掛け金や保険料を負担(拠出)し、年金財政はこの収入によって確立されることになる。このような受給者にとって有償な年金を拠出制年金という。この場合には、掛け金や保険料、加入期間(保険料納付期間)、受給者の所得・資産などに応じて、支給される年金額も異なることが多い。強制加入の年金保険は世界で初めてドイツ帝国初代首相オットー・フォン・ビスマルクが始めたとされる。今日、多くの国の公的年金は、年金保険の形を取っている。また、民間保険会社や信託銀行、その他の会社や私的団体によって運営される年金においても、拠出制年金が採用される。

日本の年金


概要


年金制度は、高齢期の生活の基本的部分を支える年金を保証する仕組みである。1961年(昭和36年)4月から国民年金法の適用(保険料の徴収)が開始され、国民皆年金制度が確立された。その後、1985年(昭和60年)の年金制度改正により、基礎年金制度が導入され、現在の年金制度の骨格ができた。産業構造が変化し、都市化、核家族化が進行してきた日本では、従来のように家族内の「私的扶養」により高齢となった親の生活を支えることは困難となり、社会全体で高齢者を支える「社会的扶養」が必要不可欠となっており、公的年金制度は、安心・自立して老後を暮らせるための社会的な仕組みである。

年金制度の歴史


日本で最も古い年金は、軍人恩給であり、1875年(明治8年)に「陸軍武官傷痍扶助及ヒ死亡ノ者祭粢並ニ其家族扶助概則」と「海軍退隠令」、翌1876年(明治9年)に「陸軍恩給令」が公布された。その後、公務員を対象に別々に作られた恩給制度を一本にまとめ、1923年(大正12年)に「恩給法」が制定された。日本初の企業年金は鐘淵紡績(クラシエブランドやカネボウ化粧品などの源流となる、後年カネボウとして知られた紡績会社)の経営者、武藤山治がドイツ鉄鋼メーカの従業員向け福利厚生の小冊子を1904年(明治37年)に入手し、研究後翌年1905年(明治38年)に始め、その後三井物産なども始めた。民間労働者の年金は、1941年(昭和16年)に船員保険の年金保険、そして戦時中の1942年(昭和17年)に当時厚生省官僚だった花澤武夫により、ナチス・ドイツの年金制度を範として労働者年金保険(1944年(昭和19年)に適用対象を拡大し、「厚生年金保険」に改称)が制定された。導入の際には戦時中ということで大蔵省及び帝国陸軍から反対があったものの、支払いは数十年先のことであり、当面は戦費調達を目的として日本の国民皆年金制度は始まった。戦後は、1958年(昭和33年)に国会議員互助年金、1959年(昭和34年)に「国民年金」というように職域ごとに年金制度が制定されていった。産業構造の変化等により財政基盤が不安定になったことや加入している制度により給付と負担の両面で不公平が生じていたことから、1984年(昭和59年)、職域集団ごとに分立していた制度を見直し、全国民共通の基礎年金制度を導入する大改正を行うことが閣議決定され、1985年(昭和60年)に実施された。1997年(平成9年)には旧三公社(JR、日本電信電話|NTT、日本たばこ産業|JT)の共済年金、2002年(平成14年)には農林共済が厚生年金へ統合された。

加入と受給


日本の年金制度は3階建てとなっている。原則として、20歳以上60歳未満の日本に居住するすべての国民は、国民年金(給付または受給段階では老齢基礎年金と言う)に義務として強制加入し、資格期間が25年以上ある人が65歳になった時に1階部分として老齢基礎年金を受給できる。民間サラリーマンや公務員等には、厚生年金や共済年金に企業や組織が義務として強制加入しなければならず、自動的に加入していると見なされる1階部分の老齢基礎年金に加えて2階部分の老齢厚生年金や退職共済年金を受給できる。このほか、任意の選択として個人では国民年金基金や確定拠出年金に、企業では社員のために各種の企業年金に任意に加入して掛金を拠出し、老後に給付することができる。

更に勤務先に関係なく、全くの個人の選択として個人年金とされる年金保険なども有る。また、障害者になった場合には障害年金が、死亡した場合には遺族年金が受給できる。;1階部分(公的年金):最低限の保障を行う国民年金(基礎年金、老齢基礎年金)(保険料は定額)
  • 2階部分(公的年金)::現役時代の収入に比例した年金を支給する厚生年金、共済年金(保険料は収入の一定割合)
  • 3階部分(私的年金)::企業年金(厚生年金基金、確定給付年金等)、確定拠出年金(企業型、個人型)、国民年金基金

    加入者数の推移


  • 2006年3月末現在の公的年金の加入者数。厚生労働省資料であるとして報道の読売新聞夕刊2007年(平成19年)10月18日2版4ページの記事から引用。
    第1号被保険者 自営業者:400万人、無業者:700万人、パートなど:600万人、その他:600万人
    第2号被保険者 厚生年金:3300万人、各種共済年金:500万人
    第3号被保険者 第2号被保険者の被扶養配偶者:1100万人

    保険料


    国民年金保険料は、2005年4月から毎年280円ずつ引き上げ、2017年度には月額16,900円に固定する。厚生年金保険料は、2004年10月から保険料率(労使折半)を毎年0.354%引き上げ、2017年9月から18.3%に固定する。
  • 2007年度保険料
    :第1号被保険者の国民年金保険料は、月額14,100円(定額)。
    :第2号被保険者の厚生年金保険料率は、標準報酬月額の14.642%(4月現在)の労使折半。
    :第3号被保険者の保険料本人負担はなく、配偶者の加入している年金の保険者が負担。

    関連項目


  • 年金記録問題

    標準的な年金額


    2004年改正では、標準的な年金受給世帯における受給し始めた(65歳)時点の年金額(夫婦の基礎年金と夫の厚生年金)の現役世代の平均手取り収入に対する比率(所得代替率)で見て、50%を上回る給付水準を確保することとされた。
  • 標準世帯
    :夫が平均的収入で40年間就業し、妻がその期間全て専業主婦であった世帯

    年金額の見通し


    年金を受給し始めた年(65歳)以降の年金額(名目額)は物価の上昇に応じて改定されるが、通常は物価上昇よりも賃金上昇率の方が大きいため、その時々の現役世代の所得に対する比率は低下していく。マクロ経済スライドによる調整期間においては、新たに年金を受給し始める者だけでなく、既に年金を受給し始めている者についても年金改定が緩やかに抑制され、年金額の現役世代の所得に対する比率は低下する。ただし、名目の年金額は、物価や賃金が下がる場合を除き、下がる事はない。老齢基礎年金を参照。

    2006年度見通し


    2007年3月に公表された「厚生年金の標準的な年金額(夫婦二人の基礎年金額を含む)の見通し【生年度別、65歳時点】−暫定試算−」の経済前提基本ケースで出生中位場合は、1941年度生まれ(65歳)の月額22.7万円(所得代替率59.7%)から所得代替率は徐々に下がり、1986年度生まれ(20歳)では月額37.3万円(所得代替率51.6%)となる。
  • 経済前提基本コース
    :最近の経済動向を踏まえた設定
  • 出生中位
    :2055年の合計特殊出生率を1.26に設定

    財政運営


    財政の均衡


    日本の年金制度は、現役世代の保険料負担で高齢者世代の年金給付に必要な費用を賄うという世代間扶養の考え方を基本に「公的年金#積立方式と賦課方式|賦課方式」により運営されているが、近年、経済の長期的停滞の下で人口の少子高齢化が急速に進行している。世代間扶養の考え方に基づく財政運営方式では、保険料負担の急増や給付水準の急激な抑制が不可避となることから、従来から一定規模の積立金を保有することにより、将来の保険料負担の上昇及び給付水準の低下を緩和することとされている。2004年改正前の年金額の改定は、給付水準維持方式により原則として5年ごとに行う財政再計算に合わせて、賃金や消費支出などを総合的に勘案して行われ、保険料負担は段階的に保険料を引き上げる段階保険料方式がとられていた。また、財政再計算が行われなかった年度は、完全自動物価スライドにより年金額の改定が行われていた。
  • 給付水準維持方式
    :年金額の給付水準を将来にわたり維持するために必要な費用を賄うための財源(保険料等)を確保する方式。
  • 財政再計算
    :将来推計人口(出生率や平均余命、予定死亡率)、積立金の予定運用利率や経済情勢(賃金や消費支出の変動)を勘案し、今後の年金額やその給付水準を将来にわたり維持するために、今後必要な負担(保険料額)を5年ごとに見なおすこと。

    有限均衡方式


    2004年法改正においては、厳しい年金財政状況を踏まえ、社会経済と調和した持続可能な年金制度を構築するために、給付と負担のあり方の抜本的な見直しが行われた。将来のすべての期間について給付と負担の均衡を図り(永久均衡方式)将来にわたって一定の積立金を保有することを改め、おおむね100年間で給付と負担の均衡を図り、その財政均衡期間の最終年度に給付費の1年分程度の積立金を保有すること(有限均衡方式)とし、積立水準の圧縮分を次世代、次々世代の給付に充てることとした。
  • 有限均衡方式
    :すでに生まれている世代の一生程度(概ね100年間)の期間(財政均衡期間)について、収入(基礎年金拠出金・国庫負担・積立金)と支出(給付費)の均衡を図っていく財政運営で、定期的な財政検証ごとに財政状況の現況分析と財政状況の見通しを立て、その見通しの期間を徐々に移動させていく財政運営。この場合、積立金の水準は、財政均衡期間の最終年度2100年(2004年財政再計算)において支払準備金程度(約1年分の給付費)とすることとされている。
  • 財政均衡期間
    :すでに生まれている世代の一生程度(概ね100年間)の期間における収入(基礎年金拠出金・国庫負担・積立金)と支出(給付費)の均衡を図ることとし、そのため定期的に財政検証(財政状況の現状分析)と財政の見通しを立てることとされている期間。

    マクロ経済スライド


    2004年法改正では、給付と負担の見直し方については、最終的な保険料の水準を法律に規定し(保険料水準固定方式)、その保険料の範囲内で年金給付を行うことを基本とした。年金額改定は、新規裁定者(68歳未満)は名目手取り賃金の伸び率(変動率)によるスライド、既裁定者(68歳以上)は物価の伸び率(変動率)によるスライドにより行われる。このため、これまでのように5年ごとの財政再計算(保険料の改定)は行わず、財政状況を検証するため、少なくとも5年に一度、「財政の現況及び見通し(財政検証)」が行われる。(初回は平成21年までに実施)また、財政均衡期間において、必要な積立金が確保できないなど財政の不均衡が見込まれる場合には、賃金や物価の変動と合わせて、少子化(公的年金加入者の減少)や高齢化(平均余命の伸び)といった経済情勢や社会情勢などの変動に応じて、給付の水準を自動的に調整する仕組み(マクロ経済スライド)が導入された。マクロ経済スライドによる調整期間における年金額改定は、新規裁定者(68歳未満)は名目手取り賃金の伸び率(変動率)×スライド調整率、既裁定者(68歳以上)は物価の伸び率(変動率)×スライド調整率により行われる。
  • スライド調整率=公的年金加入者の変動(減少)率×平均余命の伸び率(0.997)
  • 公的年金加入者の変動率=3年度前の公的年金加入者総数の変動率(3年平均)
  • 平均余命の伸び率(0.997)=65歳時の平均余命の伸び率(平均的な受給期間の伸び率は0.3%)

    財政検証


  • 年金事業の収支
    保険料、国庫負担、給付に要する費用など年金事業の収支について、今後おおむね100年間における見通しを作成し公表する。
  • マクロ経済スライドの開始
    今後おおむね100年間において財政の均衡を保つことができないと見込まれる場合には、マクロ経済スライドの開始年度を定める。(現在、この開始年度は政令で平成17年度と定められ、マクロ経済スライドは発動し得る状態となっているが、平成12〜14年度の物価スライドの特例が解消していないため、マクロ経済スライドによる給付費の調整は行われていない。)
  • マクロ経済スライドの終了
    マクロ経済スライドを行う必要がなくなったと認められる場合には、マクロ経済スライドの終了年度を定める。
  • 調整期間
    マクロ経済スライドによる調整期間中に財政検証を行う場合には、マクロ経済スライドの終了年度の見通しを作成し公表する。

    影響を与える要素


    年金財政(所得代替率)に影響を与える主な要素は人口関連と経済関連があり、この2つを勘案して将来の給付水準を設定する。''人口関連''
  • 出生率
    :出生率が低下すると、その世代が被保険者となる約20年後以降に被保険者が減少するため、将来の保険料収入が減少し、所得代替率が低下する。
  • 寿命
    :寿命が延びると年金給付費が増大し、所得代替率が低下する。
    ''経済関連''
  • 運用利回り
    :実質的な運用利回りが上昇すると、運用収入が増加し、所得代替率は上昇する。
  • 賃金上昇率
    :実質賃金上昇率が上昇すると、保険料収入はその分上昇するが、年金給付費の延びはそれ以下(物価により改定)のため、所得代替率は上昇する。
  • 物価上昇率
    :物価上昇率が低下すると、マクロ経済スライドの調整効果が減殺される(年金の名目額が減少しない範囲で調整する)ため、所得代替率は低下する。
  • 厚生年金被保険者数・労働力率
    :被保険者数、労働力率が増加すると、保険料収入が増加し、所得代替率は上昇する。
  • 積立金の水準
    :積立金が増加すると、運用収入が増加し、所得代替率は上昇する。

    関連項目


  • 公的年金流用問題

    年金制度の課題


    年金制度に関する国民の関心は高く、制度の持続可能性の確保や世代間・世代内の不公平の是正が求められている。2004年(平成16年)の年金改正法の附則に「社会保障制度全般についての一体的な見直し」が明記されたことにより、同年7月「社会保障の在り方に関する懇談会(内閣官房長官主宰)」が、社会保障制度を将来にわたり持続可能なものとしていくために、税、保険料等の負担と給付の在り方も含めて議論を開始し、計18回の審議を行った。2006年5月、同懇談会は、社会保障の給付と負担の将来見通しを示し、「今後の社会保障の在り方について」の議論を取りまとめた。来年の通常国会にて、民主党は議員年金、公務員年金、国民年金を一本化する提案を提出する予定。

    急速な少子高齢化


    急速な少子高齢化の進展により、国民の間で年金制度の持続性への不安が高まっている。2004年の年金改正法時における2005年出生率の前提は1.39であったが、実際の出生率は予測を下回り1.25となり少子化がさらに進んだ。人口減少や地域の過疎化の観点からも少子化に対する危機感が全体に広がっている。

    新人口推計


    2006年12月に発表された新人口推計(中位推計)では、女性の生涯未婚率を23.5%に見直して合計特殊出生率を1.26に下方修正した結果、20歳〜64歳の現役世代の人口と65歳以上の高齢者の人口との比率は、2055年には、1.3:1になると修正された。負担と給付のバランスを確保するためには、高齢者、女性、若者、障害者の就業を促進し、制度の担い手を拡大してゆくことが重要である。高齢者の就業機会の確保は、高齢者の高い就業意欲に応えつつ、制度の担い手としての役割が期待されることから、増加する年金給付の抑制や高い年金依存度の緩和につながる。また、女性や若年者の無業状態、失業を改善することが、少子化対策と併せて将来の支え手を増やしていくことになる。

    関連項目


  • 高齢化社会
  • 少子化

    公的年金一元化


    公的年金制度の一元化は、財政の安定性、ライフスタイルに対する中立性、制度間の公平性、制度の利便性(分かりやすさ)などのメリットがある。転職を繰り返したり、サラリーマン#脱サラ|脱サラをして個人事業主|自営業に転職した場合、あるいは自営業からサラリーマンに転職した場合など、現在の多様なライフスタイル・キャリア形成に対応した仕組みにする必要がある。また、正社員と非正規雇用|非正社員との均衡処遇を図り、雇用保険と年金で共通の適用ルールにすることにより、雇用形態の選択に対して中立的な仕組みにする必要がある。これは、共助のシステムである本来の機能の在り方という観点からも、非正社員のウエイトが高い産業・企業と低い産業・企業の間において生じている社会保険料負担の不均衡、更には未納・未加入問題や適用範囲の是正の観点からも、重要である。

    被用者年金一元化


    一元化の議論には「財政単位の一元化」と「情報の一元化」がある。財政単位の一元化とは、報酬比例部分の財政単位を一元化して制度設計し、給付と負担を調整する。情報の一元化とは、被保険者情報と受給者情報を一元化し、職業や住所を変えるという移動があったときに一元化された情報をもとに確認する仕組みである。
  • 2006年4月、「被用者年金制度の一元化等に関する基本方針について」が閣議決定された。公的年金制度の一元化を展望しつつ、民間被用者、公務員を通じ、将来に向けて、同一の報酬であれば同一の保険料を負担し、同一の公的年金給付を受けるという公平性・安定性を確保する。また、職域部分を廃止し、民間準拠の考え方を踏まえながら、衆参両院の国会議員、公務員の職務や身分の特殊性など公務員制度との関連から新たな仕組みを設けるとした。
  • 2007年4月、共済年金の1・2階部分の保険料率を厚生年金の保険料率(18.3%上限)に統一し、給付を厚生年金制度に合わせる「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案」が国会に提出された。

    パートの厚生年金適用の拡大


  • 2007年4月、上記「被用者年金制度の一元化法案」の中に、非正規雇用#形態の種類|パートタイム労働者の厚生年金(社会保険)の適用の拡大が盛り込まれた。
  • 2011年9月1日からの新しい適用基準は、(1) 週所定労働時間が20 時間以上 (2) 賃金が月額98,000 円以上 (3) 勤務期間が1年以上の条件をすべて満たす人である。
  • 従業員300 人以下(現在、厚生年金の適用対象とされている従業員の人数で算定)の中小零細事業所の事業主は、新しい適用基準を猶予する。
  • 以上は「案」として2007年10月現在、国会提出審議中である。

    国民年金と被用者年金の一元化


  • 高齢(退職)所得リスクの違い、所得形態及び納付形態の違い、保険料賦課基準所得の定義の違いといった被用者と自営業者等との相違点を解消するという条件整備が不可欠である。ただし、仮に納税者番号制度が導入されたとしても、自営業者等の所得把握には限界がある。
  • 事業主負担をどうするか、自営業者等に所得比例保険料負担を求めることに賛同が得られるかどうか。
  • 現行制度と比べ給付と負担が大きく異なることとなると考えられるため、これについての十分な分析が必要となる。

    国民年金の空洞化


    国民年金は、創設当初の完全積立方式から修正積立方式による財政運営に移行した。その後、年々の年金給付に必要な費用を、その時々の被保険者納付する保険料で賄われる部分が徐々に拡大し、1985年の基礎年金制度導入を含め年金制度全体が世代間扶養の性格を強めてきたため、現在では公的年金#積立方式と賦課方式|賦課方式に移行したと言える。しかし、近年、国民年金の納付率が低下してきたことで、賦課方式における不公平感が大きくなっている。

    納付率の低下


    近年の国民年金保険料の納付率は、1992年(平成4年)度の85.7%をピークに年々低下し、2002年度は大きく低下した。2003年度からは若干上昇したが2006年には66.3%、2007年度上半期61.1%と再び低下している。
    また、納付を免除、猶予された人の分を除外せずに算出した国民年金保険料納付率の全国平均は2006年度は49%である。
  • 近年の低下要因 ― 1995年度から、20 歳到達者で自ら資格取得の届出を行わない者に対して、職権適用を実施したが、職権適用者には、年金制度への関心や保険料納付の意識が薄い者が多い。経済の低迷、就業形態の多様化 により、離職等による第1号被保険者の増加や保険料負担能力の低下。
  • 2002年度の低下要因 ― 免除基準を改正したことで、免除から外れた者が多く、これらの者の納付率が極めて低かった。保険料収納事務が市町村から国へ移管したが、収納体制の整備が遅れ、納付組織を活用できなかった。

    国庫負担2分の1への引上げ


    年金給付に必要な費用の財源は、負担対象者や負担方法により社会保険方式と税方式がある。国民年金は他の公的年金と同じ社会保険方式を採用しているが、保険料の他に国庫負担もあり、2004年の年金法改正で基礎年金の国庫負担の割合を3分1から2分の1への引上げることになった。2007年度を目途に、所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上で、2009年度までに実施することになっているが、まだ、財源の目途は立っていない。

    財源方式を巡る議論


    公的年金制度の土台である国民年金(基礎年金)の空洞化を解消し、無年金・低年金者をなくすため、また、保険料の負担についての世代間の不公平感を解消するためにも、基礎年金を全額税で賄う必要がある(税方式)という意見に対しては、以下の意見がある。;賛成論
  • 社会保険方式は強制貯蓄の側面を有し(積立方式)、もしくは人口構成の変動に脆い(公的年金#積立方式と賦課方式|賦課方式)など制度的な問題点が大きい。低所得者層を中心とする納付率の低下や世代間の負担給付バランスの著しい不公平など、実際に問題が生じている。
  • 基礎年金はそもそも老後の生活維持のための基礎的な給付を行うものである。現役時代に十分な積立が出来なかった対象者に支給する簡素な基礎年金制度で十分であり、それにより被保険者及び納税者全体の平均的な負担も軽く出来る。
  • 社会保険方式の維持コスト(行政費用、社会保険庁の運営等)が被保険者の負担もしくは納税者に転嫁され、社会全体からみて無駄が生じている。税方式に完全に移行するかはともかく、制度や財源について効率化が必要である。(→小さな政府、政府の失敗);反対論
  • 社会保険方式は、自立・自助を基本とする日本の経済社会に整合的であるのに対し、税方式は、給付と負担の関係が明確ではなく、生活保護との違いが不明確になり、日本の経済社会に相応しくない。
  • 社会保険方式による年金制度が定着している中での税方式化は、これまで保険料を納付してきた者と、保険料を納付せず税方式の年金を受ける者との公平が図られなくなるなど、国民の不公平感を増す。
  • 高齢者に所得格差がある中で、一律に給付を行う基礎年金を全額税財源で賄う仕組みとすることは、税財源による再分配政策としての公平性の観点から、適当ではない。

    関連項目


  • 年金未納問題
  • 国民年金不正免除問題

    第3号被保険者


    主婦(第3号被保険者)に対しては、基礎年金という形で受給権を個人化し女性の年金権を確立したが、保険料負担はまだ世帯単位になっている。無業の配偶者の扱い(受給権の個人化と負担の世帯単位という食い違い)をどうするかの方法は2つあり、世帯単位の負担を、みなし個人負担という考え方で受給権の個人的な単位との間で調整する方法(所得の2分の2乗法や消費税)と保険料の拠出単位を個人化する方法がある。

    年金制度改革


    1961年の国民年金制度の本格的な発足によって国民皆年金の体制が実現してから、公的年金制度は何度も改正されているが、1985年の改正は最も大きく、全国民共通で全国民で支える基礎年金制度が創設された。

    これまでの改正


  • 1985年改正では、制度成熟期に加入期間が40年に延びることを想定して、給付単価・支給乗率を段階的に逓減する給付水準の適正化。サラリーマンの妻の国民年金への加入(第3号被保険者制度の創設)による女性の年金権の確立。20歳前に障害者となった者に対する障害基礎年金の保障。5人未満の法人に対する厚生年金の適用拡大。女性の老齢厚生年金の支給開始年齢を2000年までに段階的に55歳から60歳に引き上げ。
  • 1989年改正では、完全自動物価スライド制の導入。学生の国民年金への強制加入。国民年金基金の創設。
  • 1994年改正では、60歳代前半の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢を2013年までに段階的に60歳から65歳に引き上げ。在職老齢年金を賃金の増加に応じて賃金と年金額の合計額が増加する仕組みへの変更と失業給付との併給調整。賃金再評価を税・社会保険料を除いた可処分所得の上昇率に応じた方式へ変更。育児休業中の本人負担分の厚生年金保険料を免除。
  • 1996年改正では、旧公共企業体3共済(JR、日本たばこ産業|JT、NTTグループ|NTT)の厚生年金への統合。
  • 2000年改正では、老齢厚生年金の報酬比例部分を2025年までに段階的に60歳から65歳に引き上げ。65歳以降の年金額は物価スライドのみで改定。厚生年金の報酬比例部分の給付を5%適正化、ただし従前額を保障。厚生年金加入を70歳未満まで拡大し、65歳〜69歳の在職者に対する在職老齢年金を創設。賞与等にも同率(13.58%)の保険料を賦課し、給付に反映する総報酬制の導入。育児休業中の事業主負担分の厚生年金保険料の免除。国民年金保険料の半額免除制度と学生納付特例制度の創設。
  • 2001年改正では、共済組合#農林漁業団体職員共済組合|農林漁業団体職員共済組合の厚生年金への統合。

    2004年改正


    2004年改正では、保険料負担と年金給付のバランスを図るため、保険料負担の上限を固定し、基礎年金の国庫負担割合を2分の1へ引上げる及びおよそ100年かけて積立金を取り崩して(最終的に年金給付費用1年分程度を残す)年金給付に充当させることにより、保険料の引上げをできるだけ抑制する。また、社会全体の所得・賃金の変動(経済変動)や平均余命の伸び・合計特殊出生率(人口変動)に応じて、年金額の改定率を自動的に設定し給付水準を調整するマクロ経済スライドの仕組みを導入して、年金給付をゆるやかに削減し、保険料上限による収入の範囲で給付水準50%以上を確保するとした。この改正の背景には、少子高齢化による世代間の問題やグローバル化のなかで労働コストを抑制したいという理由から、保険料の引上げが極めて厳しくなっているという状況があった。

    保険料


  • 厚生年金保険料は、2004年10月から保険料率(労使折半)を毎年0.354%引き上げ、2017年9月から18.3%に固定する。*国民年金保険料は、2005年4月から毎年280円ずつ引き上げ、2017年度には月額16,900円に固定する。*若年者納付猶予制度の創設。*保険料の申請免除等の承認期間の遡及。*多段階免除制度の導入。

    年金給付


  • 60歳代前半の在職老齢年金の一律2割支給停止を廃止。*65歳以降の老齢厚生年金の繰り下げ制度の導入。*70歳以上の在職者に60歳代後半の在職老齢年金のしくみを適用。(ただし、保険料納付はなし)*特別障害給付金制度の創設。*障害基礎年金の受給権者は、65歳以降老齢厚生年金又は遺族厚生年金との併給が可能。*離婚した時に婚姻期間の厚生年金の分割が可能。(ただし、夫婦間の合意または裁判所の決定が必要)*離婚した時に第3号被保険者期間について厚生年金の分割が可能。*子のいない30歳未満の妻に対する遺族厚生年金は5年間の有期年金とし、中高年寡婦加算の支給は夫死亡時40歳以上を対象とする。*保険料納付実績や年金見込額等の年金個人情報の定期的な通知とポイント制の導入。

    米国

    2000年代後半にベビーブーマー(約7700万人)が年金支払い対象になるため、制度改革の必要性が指摘されている『「団塊」7700万人 受給申請第1号 米年金“洪水”前触れ』2007年10月17日付配信 産経新聞


    関連項目



  • 年金保険
  • 国民年金
  • 老齢基礎年金
  • 厚生年金
  • 年金問題 - 年金記録問題
  • 社会保険労務士
  • 住民基本台帳ネットワークシステム#住基ネットを利用する手続・方法
  • ペンション

    参考文献


  • 『よくわかる年金制度のあらまし 平成19年度版』 サンライフ企画、2007年1月
  • 『年金相談の手引 平成19年度版 』 社会保険研究所 2007年4月
  • 『厚生年金保険制度回顧録』 財団法人厚生団編 1988

    外部リンク


  • 社会保険庁
    年金保険制度
    社会保険制度(平成19年度版社会保険大学校テキスト)
  • 厚生労働省
    年金情報
    厚生年金の標準的な年金額(夫婦二人の基礎年金額を含む)の見通し 
  • 首相官邸ホームページ
    今後の社会保障のあり方について
    ]

    Quotation:Wikipedia - Article - History  License:GFDL

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    日本弁護士国民年金基金
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