特集:
2008/05/27 日記<政治家の年金未納問題>
政治家の年金未納問題
政治家の年金未納問題(せいじかのねんきんみのうもんだい)は、2004年(平成16年)に日本において、その時点での公的年金の加入・納付に関する記録から、政治家による公的年金保険料の未納が発覚し問題となった事件。本項では、公的年金に関する記録・手続等が適正であるのにもかかわらず、政治家が公的年金に加入せず、保険料を納付していなかったことについて述べる。公的年金の記録・手続等が不適正であったため発生した未納に関することについては、''年金記録問題''、''国民年金不正免除問題''を参照のこと。
概説
年金未納問題がクローズアップされるなか、年金制度改革を中心に議論がなされていた2004年の国会の期間中、複数の閣僚に年金の未納期間のあることが判明した。国会議員は国民皆年金制度発足の1961年から1986年まで任意で、1986年以降強制加入となったが、強制加入時期に年金の未納期間があることが判明した。その後の調査が進むにつれて野党議員にも次々と未納期間のある者が発覚、官房長官や第一野党である民主党代表が辞任に追い込まれるなど、政治家の年金未納問題は一大政局に発展した。国民の年金への不信が高まりつつある中で、年金不信をさらに加速しかねないスキャンダルであった。議員年金は互助制度であり公的年金ではないのだが、議員年金に加入していれば公的年金に加入していると勘違いをしていた議員もいた。また議員年金の受給資格を満たしていれば退職後に年金受給できるが、国民年金よりも受給額が遥かに高いため、未納が法律違反という点を除けば受給額と言う面で国民年金などの公的年金に加入するメリットが薄く、未納が刑事事件ではなかったことも公的年金未納に繋がったとされる。年金の議論をしている当人までもが手続を忘れるという年金制度の複雑さを浮き彫りにするものでもあった。この問題に先立って注目されたのが、2004年に年金コマーシャルメッセージ|CMに起用された女優・江角マキコの未納発覚である。江角は、未納者を厳しく問い詰めるCMで話題になったが、実際には保険料を納めていなかったにも関わらず、確定申告において国民年金保険料を払ったかのような申告がしたことも発覚し(後に修正申告)、その後確定申告において領収書等の添付が義務付けられることとなった。この一連の報道を機に、年金運営側の納付状況は国民に注目されるところとなっていた。そのような中で、閣僚を含む政治家に未加入や未納期間があることが判明(小泉純一郎|小泉内閣の首相を除く閣僚17人のうち7人に未納・未加入の事実が指摘され、その中の一人である福田康夫は内閣官房長官を辞任した)。さらには江角の証人喚問を要求したり、当初の未納・未加入発覚が発覚した三大臣を「未納三兄弟」と呼ぶなど、年金未納問題批判の急先鋒だった民主党代表・菅直人や、野党最左派である日本共産党|共産党所属の議員にも未納・未加入が発覚した(この内民主党代表菅直人には年金の未加入期間は全く無かった事が正式に判明。しかし未払いの二カ月分の受け取りについては当時の社会保険庁の事務上のミスによるにもかかわらず、時効発生を根拠に拒否)。その結果、2002年度の国民の平均年金未納率を4ポイントも上回ったことが分かった。以上のような事実を踏まえて、マスコミによって現政府政策の失政を批判する相当量の報道に国民の多数が賛同し、国民の年金制度不信、政権不信をさらに加速させた。追及が及んだのは公職関係者ばかりでなく、公人の年金未納問題を強く批判していたニュースキャスターも年金未納であることが発覚したため番組出演を見合わせることとなる例も存在した(筑紫哲也など)。また、前述の通り国会議員や学生が国民年金加入が任意制だった時期が存在するが、公的年金制度への信頼性が問題化されていたこともあり、法律違反でない任意時代の年金未加入が法律違反である強制加入期の年金未納と同じように問題視されうることもあった。この問題を受けて、改めて年金の「うっかり未納」の深刻さが認識され、未納年金の後納が認められることとなった。だが、この国民年金未納問題の情報を公開していたのは社会保険庁の職員であり、社会保険庁職員が誰でも閲覧可能な状態であり管理がずさんだった為に「個人情報が全く守られていない」と批判され、これらの情報を故意(職務外に閲覧のこと)に閲覧したりマスコミに情報を社会保険庁の許可なく漏らした職員300人に対して一斉処分され、この300名に対し、自民党は2005年12月21日の社会保険庁改革協議で国家公務員法の分限免職処分を適用するとした方針を決めた。その後、国民年金不正免除問題や年金記録問題が発覚したため、2004年の時点で記録や手続が正確・適正であたかどうか不明であり、当時の納付記録の誤りにより未納扱いとされてしまった者も含まれている可能性があり、そもそも最初から国民年金の免除を受けていた場合は未納とはならないので、2007年時点でも、不透明な部分は残っている。
経緯
この問題は当初与党自民党の一部閣僚の問題として発覚、野党民主党 (日本 1998-)|民主党の批判を受けたことに端を発する。内閣提出をした責任者である閣僚が年金未納であったことから、年金を議論する資格がないと追及。この時点で、与党側は官房長官であった福田康夫から「個人のプライバシーだ」とのコメントを出し強く反発していた。この対応は多くの国民の不興を買うものだった。しかし数日後には福田自身を含めたさらに多数の閣僚に未納の事実が発覚するとともに、批判する側であった民主党の代表菅直人や野党議員にも発覚した。この時点で、与野党全体を巻き込まれた形になった。それに対して福田は先手を打つ形で官房長官の引責辞任を発表した。こうして福田は潔く進退を決めたイメージを作るとともに、菅に進退を迫る形となった。菅は社会保険庁のミスを主張したが、民主党内で求心力が低下したため、菅は党代表辞任に追い込まれることとなった(なお現在では菅の主張は当時から正しかったことが明らかになっている。菅の支払いを社会保険庁が拒否していた。また社会保険庁が未加入と認定した期間も加入期間に訂正され、菅に関しては年金未納・未加入問題の責任は全く無いことが小泉首相の答弁書により明らかとなった)。福田の辞任の時点ではすでに懸案であった年金改革法案が衆議院を通過したあとであり、「名を捨てて実を取ったのでは」との批判もある。しかし、政治的には決断を迅速に行ったという点に関しては自民党の勝利であった。なお、後任の官房長官である細田博之は就任早々の会見において年金納入問題に関する質問が出たが、自身の年金納入履歴を答え、年金未納時期がないことを回答している。民主党では、菅の後継者となる第二人者としては、党内でもその強い政治力から危険視され、自ら「一兵卒として働く」と宣言した小沢一郎が最有力であった。そして、小沢がその立場を活かして党執行部の刷新を条件に代表就任を受諾するという交代劇が繰り広げられた。その後、首相小泉純一郎の年金未加入期間があることが発覚、続いて民主党代表就任を控えた小沢にも未加入期間が発覚する。小沢の「未加入」は任意加入の時期であり加入義務ではなかったので法律違反ではなく、未納問題に比べれば責任の度合いははるかに低いものである。しかしここで小沢は代表候補の辞退を表明、福田の辞任のときとは逆に、自民党側に進退を突きつけた形となった。また厚生労働大臣をはじめとする厚労関係議員(副大臣、国会委員長)にも年金未納があり、本国会審議の年金改革法案の成立を巡って、未納状況の公表が遅れるなどの状況がみられた。
事件の経過
国会議員
以下に、未納期間のあったことが判明している議員を挙げる。(所属などは2004年現在・国会議員分は2004年5月14日読売新聞による)
自由民主党_(日本)|自由民主党
衆議院議員
参議院議員
公明党
衆議院議員
参議院議員
民主党 (日本 1998-)|民主党
衆議院議員
参議院議員
社会民主党 (日本 1996年-)|社会民主党
日本共産党
その他
大臣(議員以外)
地方議員・首長
都・道・府・県知事
市・町・村長
議員
関連項目
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