特集:
2008/06/02 日記<国民年金不正免除問題>
国民年金不正免除問題
国民年金不正免除問題(こくみんねんきんふせいめんじょもんだい)とは、2006年5月に全国各地の社会保険事務所において、本人からの申請がないにもかかわらず、国民年金保険料の免除承認等に関する手続き(国民年金法等に違反する行為)を行っていたのが発覚したことである。
概要
2006年3月、社会保険庁を廃止・解体し、新たに国の特別の機関として、年金事業を運営する「ねんきん事業機構」を設立する法案が国会に提出された。しかし、同年5月、審議の最中に全国各地の社会保険事務所が不正免除を行っていたことが発覚したため、審議がストップし廃案となった。同年8月、31地方社会保険事務局、116社会保険事務所で222,587件の不正免除が行われ、大半は本人の意思を確認していなかったことが判明し、関与した職員1,752人が処分された。社会保険庁は、度重なる不祥事に加えて、幹部職員を中心とする多くの職員が法令違反を行ったことで国民の大きな不信を招き、さらなる組織改革を求められた。同年12月、「与党年金制度改革協議会」は、新組織を国の特別の機関ではなく公法人化し、職員の非公務員化を図る新たな改革方針を示した。2007年3月、2010年1月に非公務員型の公法人を設立し、公的年金に係る財政責任・管理責任は引き続き国が担う「日本年金機構法案」が国会に提出された。
経緯
報道機関より取材申し込みを受け調査した結果、京都と同じケースがあることが判明し、5月17日に本庁に報告した。5月18日、国民年金事業室が、全社会保険事務局長に照会したところ、東京、長崎で同様のケースがあることが判明した。5月19日、国民年金事業室は、全社会保険事務局長に書類の提出を要請し、5月24日に大阪事務局長を更迭した。*三重社会保険事務局のケース2006年5月24日、国民年金事業室が、全社会保険事務局長に対して電話で照会したところ、三重で同様のケースがあることが判明した。同年5月26日に三重事務局長を更迭した。*全国社会保険事務局長会議
2006年5月27日、川崎二郎 厚生労働大臣が、全国社会保険事務局長会議を緊急開催したところ、100事務所で113,975件の不正免除が判明した。*再度の確認書の提出2006年6月8日、全国の社会保険事務局長・社会保険事務所長から再度の確認書を提出させたところ、29事務局110事務所で193,136件の不正免除が判明した。*全件調査2006年7月6日、 全事務局に本庁職員249名を派遣して調査したところ、31事務局116事務所で222,587件の不正免除が判明した。法令違反の内訳は、(1) 国民年金法違反(申請意思を確認していない)が、24事務局66事務所で189,492件(85.1%) (2) 同法施行規則違反(電話等により意思を確認し、職員が申請書を代筆しているが、署名又は記名押印がない)が、33,095件(14.9%)であった。*処分
2006年8月28日、不正免除に関与した職員及び監督者1,752人の処分を行ったが、一番重い処分で停職2月だった。また、退職しており処分できない職員が112人いた。
法令等の規定
動機と背景
*所得情報の入手と免除・猶予対策の重視2004年に国民年金法の改正があり、2005年度以降、市町村から所得情報を入手し免除・猶予の該当者を把握できるようになった。2005年7月より免除・猶予の継続制度が導入され、本庁から納付率に関して、2006年度以降の納付対策を強制徴収等の「分子対策」に集中するためにも、2005年度にできるかぎり該当者からの免除申請を獲得するなど、「分母対策(納付対象月対策)」が重要であるとの指示が出された。*免除・猶予該当者への接触・面会が困難戸別訪問しても不在だったり、文書を何度送っても反応がない等接触が困難なケースが多かった。*長官メッセージ及び必達納付率目標2005年11月8日の村瀬清司社会保険庁長官の緊急メッセージに基づき、同年末までの各事務所ごとの必達納付率目標が各事務所の確認を経て設定された。全国で2%の納付率向上の目標に対し、事務所長や事務所の担当課長が重圧を感じていたケースがあった。*安易な方策への帰着安易に目標を達成する方法として、不正免除が発案され実施された。(1) 先行入力方式 ― 本人の意思を確認する前に入力 。(2) 申請意思の推定方式 ― 期日までに意思表示がない場合は、申請の意思があるとみなして手続きを行う。(3) 電話による意思確認方式 ― 本人の意思を電話で確認し、了解を得て手続きを行う。
関連項目
違法性に関する認識
計画と実行
本庁が組織的に主導した事実はないが、本庁職員の軽率かつ不適切な対応があり、組織的に明確な対応を行っていなかった。
組織の問題点
事務局・事務所の問題
本庁の問題
防止策
関連項目
外部リンク
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