特集:
2008/06/10 日記<厚生年金>
厚生年金
厚生年金(こうせいねんきん、Employees' pension for the aged)とは、正式には「厚生年金保険」といい、主として日本の民間企業の労働者が加入する公的年金制度である。加入者やその遺族のために、老齢年金、障害年金、遺族年金が社会保険庁から支払われる。厚生年金保険法によって定められている。
概要
一般の被保険者(労働者)は2006年9月分から、収入の14.642%を保険料として負担する。そのうちの半分は企業(雇用主)が負担するという形にして、被保険者が支払う保険料を少なく見せかけている(収入の約7.3%)。厚生年金は国民年金に相当する固定部分と報酬比例部分に分けられるが、保険料がどのような割合で振り分けられているかは明らかでない。厚生年金保険は、法人事業所は従業員の人数に拘わらず、必ず加入することが求められる。個人事業形態においても、常時使用する労働者が5人に達すれば強制加入となる。5人未満でも、労働者の要求や事業主の同意があれば、加入することができる。このことを「任意単独被保険者」という。ただし、いずれの場合も個人事業主本人は厚生年金保険に加入できない。一般の労働者に対する厚生年金の起源は第二次世界大戦下の1942年に施行された「労働者年金保険」であり、戦時下における労働力の増強確保と強制貯蓄的機能を期待する目的があったとされているが、手っ取り早い戦費調達手段として導入されたとする見方もある。
2004年年金制度改正
自由民主党 (日本)|自由民主党と公明党による与党年金制度改革協議会は、2004年2月4日に厚生年金保険料の引き上げについて合意文書を交わした。厚生年金保険料は、2004年9月までは年収(総報酬)の13.58%(労使折半)であるが、2004年10月から毎年0.354%(労使折半)ずつ引き上げ、2017年度には年収の18.30%(労使折半)まで引き上げられ13年間で段階的に4.72%引き上げられることになる。ボーナスを含めた平均年収が570万円である場合、2017年度の保険料は年額52万1550円となり、2004年度よりも13万4520円の負担増額となる(ただし、これらの保険料率は2004年度価格で表示されたものなので、インフレ率の上昇があれば保険料率も上昇する)。厚生年金の支給額については、現役世代(働いている時)の平均収入の50%以上の水準を確保するという。 しかし、これに該当するのは40年間保険料を払い続けるモデル世帯だけである。
年齢別の保険料負担と年金給付額についての推計
厚生労働省は、2004年に国会で成立した年金改革案関連法案に基いた世代別の給付と負担の関係、給付と負担の見通しについての推計を公表した。この推計は毎月払う保険料に65歳までの金利をつけて計算したものと、平均寿命まで生きたと仮定した年金受給額を金利で割り戻したものを比較するもの。金利を高く設定すれば65歳の時点の保険料は大きくなり、逆に年金額は小さくなる。なお、* 年金の財政見通しは運用利回りを3.2%と置いているが、この計算では金利に賃金上昇率の2.1%を使っている。運用利回りを使えば1.6倍になる。すなわち、「倍率」が高く見えるように低い金利を使った推計である。
(厚生労働省推計)
※モデル世帯の夫婦(ただし妻は1986年度以降のみ国民年金に加入)がそれぞれの平均余命まで年金を受給した場合。
※保険料は本人負担分。
※金額は物価上昇率で2004年度時点の価値に換算。
※端数処理のため倍率が異なることがある。
※手取り収入は、世帯の合計で、ボーナスを含めた月額換算。
2025年の金額は現在の価値に換算。()内は給付水準。
厚生年金保険法の改正
2004年2月10日に閣議決定された厚生年金保険法の主要な条項は次の通りである。; 三十四条の改正
: 政府は政令で年金給付額を調整する期間を定める。調整期間の年金額再評価改定は、原則として名目手取り賃金変動率に調整率をかけた率を基準とする。
: 年金の受給権者が六十五歳に達した以降の年金額再評価率は、原則として物価変動率を基準とする。
: 厚生年金保険料率は2004年から毎年、0.354%ずつ引き上げ、2017年9月以降、18.30%とする。
: 三歳未満の子どもを育てる厚生年金加入者の月額賃金が、子育て以前の月額賃金を下回った場合は、以前の賃金を年金額計算の基礎とする。三歳未満の子どもを育てる厚生年金加入者の育児休業期間について保険料を免除する。2005年4月1日から実施する。
: 七十歳以上で在籍者への厚生年金支給額について、賃金に応じて全部又は一部を支給停止する。2007年4月から実施する。
: 三十歳未満で遺族厚生年金の受給権を得た妻は、五年を経過すると受給権が無くなる。中高齢寡婦加算支給要件を見直す。2007年から実施する。
: 六十五歳未満で在職者への厚生年金支給額について、二割停止する現行方式を改める。
: 離婚した場合、厚生年金の分割割合で合意しているか、裁判所の決定があれば、厚生年金の分割を請求することができる制度を創設する。2007年4月から導入する。
年金種類・年金積立金等
: 65歳以上の者で保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上であることを条件に支給
: 男性は1953年4月1日以前、女性は1958年4月1日以前に生まれた者で厚生年金の加入期間が1年以上の者に対しては60歳から特別支給の厚生年金が支給される。その後支給年齢は徐々に繰り上げられ、男性は1961年4月1日以前、女性は1966年4月1日以前に生まれた者で厚生年金の加入期間が1年以上の者に対しては65歳より前に経過措置として特別支給の厚生年金が支給されることとなっている。したがって、現在60歳以上で厚生年金加入期間が1年以上の者には、必ず特別支給の厚生年金が支給される(繰下げても多くもらえるわけではなく、5年で時効になる制度なので注意)。
: 障害の原因となった傷病ではじめて医師または歯科医師の診察を受けた日(初診日)が被保険者であった場合で、その日から1年6月(あるいはそれより早く障害が固定した場合はその日)に所定の障害にある場合、その障害の程度に応じ年金または一時金が支給される。(所定の保険料納付要件を満たしていることも必要)
: 被保険者が死亡したとき、被保険者であった者が被保険者期間中に初診日のある傷病により傷病の日から5年以内に死亡または障害等級が1級若しくは2級の障害厚生年金受給者が死亡したとき、あるいは老齢厚生年金の受給権者または老齢厚生年金の受給資格要件を満たした者が死亡したときで以下の生計維持関係のあった遺族に支給される(所定の保険料納付要件を満たしていることも必要)
:: 妻については年齢に関わらず
:: 夫、父母、祖父母については死亡当時55歳以上であった場合60歳から支給
:: 子、孫については18歳の誕生日の年度末まで(障害等級1級、2級に該当するときは19歳まで)
::: 支給順位は、1位配偶者または子、2位父母、3位孫、4位祖父母※しばしば、厚生年金と比較して共済年金(公務員を対象としている)の給付水準が高いことが批判の対象となるが、上図を見れば明らかで、厚生年金でいうところの「厚生年金基金」を合わせて掛けているのと同じことであるから、水準が高いことは現制度上ではある意味当然とも言え、批判はあたらない(厚生年金基金も共済年金の職域加算も使用者、労働者各々が保険料負担をしている)。ただ、今後もこのような高水準の制度を維持すべきかどうかは、厚生年金基金制度も含めて検討する必要がある。
関連項目
外部リンク
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